デフレ脱却と内需拡大への道 ~ Vol.4
2022.02.10
VOL.04 内需拡大策としての休暇のあり方を考える

現在の日本においては、年間休日数は既に欧米を凌駕している。

 それにもかかわらず充足感が得られないのは、休み方が悪いからである。

 毎日 500円の小遣いでは何もできないが、毎月まとめて15,000円の小遣いをもらえば、誰でもその使い方を考えるようになる。

休暇もこれと同じで、日本人特有の何でも小出し(政府は特にそうだが)、司馬遼太郎のいうところの逐次投入というやり方では、現在の閉塞感から逃れる事はできない。

小出しや逐次投入によって、結果的に膨大な労力やコストをつぎ込みながらほとんど効果が得られなかったことは、歴史の証明するところである。


ところで、現在でも勤続年数に応じて有給休暇がとれるようにはなっているが、公務員はいざ知らず、民間においては100%消化できたというような話は極めて少ない。
 労働者の権利として実行するには企業内の抵抗が大きく、なかなか休めないのが実情である。


 現在の有給休暇制度は、事実上有名無実化していると言わざるを得ない。

 現在の休み方の弊害を取り除き、国民経済にとっても勤労者にとってもプラスになる休み方を考える必要がある。

そこで、国家管理型の現在の祝祭日の設定を必要最小限に止め、その一方で、これに見合う形で勤労者の休暇を確保するために労働基準法を改正し、最低でも連続3週間の有給休暇を年に一度必ず与えなければならないことにすべきである。
2022.02.10 17:18 | 固定リンク | 鑑定雑感
デフレ脱却と内需拡大への道 ~ Vol.3
2022.02.03
VOL.03 モノが売れなきゃ人を動かせ

エコノミックアニマルだワークホリックだと言われ、世界から働く事しか能のない民族と言われて来たが、果たして現在もそのような状況にあるのだろうか。

平成二十八年の暦をみると、祝祭日は年間で15日間ある。
 これに、習慣となっている年末年始の休み約7日とお盆休み3日を加えると、現在年間既に25日間も土曜日・日曜日以外に休んでいる事になる。

 
 欧米では日本のように祝祭日等が多くない為、長期有給休暇が一般的である。

 我々は長期バカンスを長い間夢見ているが、現役時代の実現はなかなか困難である。

 しかし、実際には週休二日制の上に、更に年間約25日も休んでいるのである。
 年間労働日数でみれば、何と240日前後しか働いていない事になる。

 つまり、12ヶ月のうち働いているのは8ヶ月、休んでいるのが4ヶ月という計算になる。

現在のような祝祭日や休暇習慣からすると、国民経済にとっても環境にとっても、むしろ害の方が多いと考えざるを得ない。

 盆暮れやゴールデンウィークのシーズンになると、十年一日の如く繰り返される交通渋滞・料金の高騰・サービスの低下等に悩まされている。

交通渋滞による排ガスの環境汚染やピークに合わせた公共投資は、財政的にも限界にきている。

 地方の高速道路をみると、ピークを過ぎるとガラガラ状態になっており、その必要性に疑問を抱かざるを得ない。

経営側にとっては、週休二日制の間に祝祭日がはさまる為、効率的な経営ができない。
勤労者側からみれば、1日・2日の飛び飛びの休みではほとんど何もできない為、充足感が得られない。

これでは、腰を据えて何かをするというような、有意義な休暇の使い方ができないのである。
2022.02.03 09:00 | 固定リンク | 鑑定雑感
デフレ脱却と内需拡大への道 ~ Vol.2
2022.01.27
VOL.02 資本主義経済の成熟化とその終焉

内需は拡大しないのではなく、生まれた時からモノに満ち溢れた生活を送っている現代においては、欲しいモノがない、というのが実情ではなかろうか。

個人的にみても、今どうしても欲しいというモノは、なかなか思い浮かばない。

消費経済は成熟化してしまい、今後消費が大きく伸びることは期待できない。


未だに大量生産・大量消費を夢見ているが、大量生産を維持する為には、今まで以上により早く、より大量に、モノを捨てなければならない。

しかし、地球環境の問題を考えれば、大量の産業廃棄物を受け入れる余地は極めて少なく、環境負荷の面からも、大量生産・大量消費は受け入れ難くなりつつある。


その一方で、我が国の人口構造は急速に高齢化しており、少子化と相まって、消費人口が将来とも持続的に増加する方向にはない。

需要面でも環境面においても、これまで以上の大量生産・大量消費は困難であり、単純にモノさえ売れれば良いというような内需拡大は、無理と考えるべきである。

2022.01.27 15:41 | 固定リンク | 鑑定雑感

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