ネットサーフィン鑑定 ~ 鑑定評価書作成業(?)の行方 Vol.1
2021.04.08
VOL.01 リアルな世界の不動産と多様な在り方
実物不動産はリアルな世界である。
リアルな世界にあるから、教科書的にはありえないことが多く見られる。
都市部の土地であっても登記上ある不動産が現実には存在していなかったり、場所が判らなかったり、位置が違っていたり、面積が極端に違っていたりとそのあり様は様々である。
田舎の土地は相隣関係が希薄なことから、あり様は更に多岐にわたる。
これに所有権以外の権利や建物が加わると、そのあり様は幾何級数的に増加する。
人間の命には限りがあるので、これだけ複雑・多岐にわたる不動産のあり様の全てを現実的に体感することはできない。
人伝に聞いて、ああそういうこともあるのかと感心する他はないが、自分がその場面に出会ったらどうしようと悩むことだけは間違いなさそうである。
いずれにしても、日々何気なく目にしている不動産について調査し、評価しなければならないという視点で現地に臨む場合は、それなりの事前調査と準備が必要となる。
単に書類や図面だけではリアルな世界の不動産の真相にせまることはなかなかできない。
競売不動産の評価に携わっていない人には大変申し訳ないが、筆者にとって競売不動産の調査・評価はこれらの多様な不動産のあり様を体感することができる絶好の機会となっている。
競売不動産の調査・評価を通して、日本における国土情報のインフラ整備の遅れを痛感しているが、それ以外にも行政情報の内容やその取扱い方がバラバラで、とても近代的な法治国家とは言えないなと感じたことも、二度や三度ではない。
実物不動産はリアルな世界である。
リアルな世界にあるから、教科書的にはありえないことが多く見られる。
都市部の土地であっても登記上ある不動産が現実には存在していなかったり、場所が判らなかったり、位置が違っていたり、面積が極端に違っていたりとそのあり様は様々である。
田舎の土地は相隣関係が希薄なことから、あり様は更に多岐にわたる。
これに所有権以外の権利や建物が加わると、そのあり様は幾何級数的に増加する。
人間の命には限りがあるので、これだけ複雑・多岐にわたる不動産のあり様の全てを現実的に体感することはできない。
人伝に聞いて、ああそういうこともあるのかと感心する他はないが、自分がその場面に出会ったらどうしようと悩むことだけは間違いなさそうである。
いずれにしても、日々何気なく目にしている不動産について調査し、評価しなければならないという視点で現地に臨む場合は、それなりの事前調査と準備が必要となる。
単に書類や図面だけではリアルな世界の不動産の真相にせまることはなかなかできない。
競売不動産の評価に携わっていない人には大変申し訳ないが、筆者にとって競売不動産の調査・評価はこれらの多様な不動産のあり様を体感することができる絶好の機会となっている。
競売不動産の調査・評価を通して、日本における国土情報のインフラ整備の遅れを痛感しているが、それ以外にも行政情報の内容やその取扱い方がバラバラで、とても近代的な法治国家とは言えないなと感じたことも、二度や三度ではない。
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2021.04.07

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建物評価と市場価値 ~ 積算価格は赤札セールの目安? Vol.3
2021.04.01
VOL.03 積算価格と市場価格
最近特に思うのであるが、積算価格とは一体何であるのか解らなくなるのである。
道北のある町の建物及びその敷地が、昨年の10月に売買された。
この土地は幹線に面する約500㎡の長方形の角地で、この上にRC造の築約40年の診療所兼居宅約500㎡がある。
建物は良く手入れされており、空家期間も2年弱と、利用上の問題はないとのことであった。
この建物の固定資産税評価額は約1,300万円、土地は約600万円で、固定資産評価額の合計は約1,900万円である。
この土地・建物は2年程前から400万円で売りに出されていたが、昨年春に 200万円に値下げした。
それでも売れないため、秋に100万円に値下げしてやっと売却できたということであった。
積算価格的にいえば、多分1,000万円は下らないと思うが、需要が全くないので捨て値になったようである。
ここで読者は多分、更地処分すべきと考えるのであろうが、残念ながら取り壊し費用は限りなく土地代に近く、そういう意味では100万円という価格も説得力がある。
しかし十分に使える建物を前に、いくら需要がないといっても取り壊し最有効使用とはなかなか言えない。
地価水準が低い地域にあるRC造の特殊で汎用性のない建物は、経済的残存耐用年数が残っていても需要はほとんどなく、また取り壊しても土地代を上回り、取り壊し費用の回収もできないので、売買は成立せず、未利用のまま長期間放置され、廃屋と化す。
固定資産税評価額1,300万円の建物を、時価ゼロとする市場の実態を考えると、積算価格は決算セールの赤札前の価格としての意味合いしかないことになる。
果たしてそれでいいのか、積算価格と市場の実情との折り合いをどうつけるのか。
それとも積算価格以外の他の評価方法を考えるべきなのか、悩みは尽きない。
最近特に思うのであるが、積算価格とは一体何であるのか解らなくなるのである。
道北のある町の建物及びその敷地が、昨年の10月に売買された。
この土地は幹線に面する約500㎡の長方形の角地で、この上にRC造の築約40年の診療所兼居宅約500㎡がある。
建物は良く手入れされており、空家期間も2年弱と、利用上の問題はないとのことであった。
この建物の固定資産税評価額は約1,300万円、土地は約600万円で、固定資産評価額の合計は約1,900万円である。
この土地・建物は2年程前から400万円で売りに出されていたが、昨年春に 200万円に値下げした。
それでも売れないため、秋に100万円に値下げしてやっと売却できたということであった。
積算価格的にいえば、多分1,000万円は下らないと思うが、需要が全くないので捨て値になったようである。
ここで読者は多分、更地処分すべきと考えるのであろうが、残念ながら取り壊し費用は限りなく土地代に近く、そういう意味では100万円という価格も説得力がある。
しかし十分に使える建物を前に、いくら需要がないといっても取り壊し最有効使用とはなかなか言えない。
地価水準が低い地域にあるRC造の特殊で汎用性のない建物は、経済的残存耐用年数が残っていても需要はほとんどなく、また取り壊しても土地代を上回り、取り壊し費用の回収もできないので、売買は成立せず、未利用のまま長期間放置され、廃屋と化す。
固定資産税評価額1,300万円の建物を、時価ゼロとする市場の実態を考えると、積算価格は決算セールの赤札前の価格としての意味合いしかないことになる。
果たしてそれでいいのか、積算価格と市場の実情との折り合いをどうつけるのか。
それとも積算価格以外の他の評価方法を考えるべきなのか、悩みは尽きない。
(2010年2月 Evaluation no.36掲載/「建物評価と市場価値 ― 積算価格は赤札セールの目安?」)